クルド族により織られたJaf bag と呼ばれる、馬の背に掛けて使ったサドルバッグの表面です。前所有者様によると80年程前に織られたものとの事です。ほとんど使用されなかったのか、パイルはフサフサでとても良い状態です。縦約58㎝、横約57㎝です。しっかりした織りですので問題なく床に敷いて頂けます。よくある座布団サイズのギャッベのように椅子の座面に敷いたり、小テーブルや壁面の装飾としても華やかです。天然染料が主体ですが合成染料も使われています。裏面と見比べると褪色のはっきりする、紫がかったピンク・黄緑は合成染料由来と思います。素人考えではありますが、裏面では濃い赤色が表ではオレンジがかった色に褪色しており、こちらも合成染料が混ざっているようです。濃い茶色のパイルは他と比較すると若干低くなっています。媒染剤として鉄が使われているため、磨耗と経年変化に弱いためです。Jaf bagはカラフルで色遣いの華やかな物ばかりですが、こちらは簡単に鮮やかな色が出せると当時持て囃されたという合成染料を使用して、更に派手やかな仕上がりとなるよう意図された物のようです。上端のフサは綺麗にかがられています。下端はスマック織を残してフサを作らずにかがられています。両端はオリジナルの状態でわずかに擦れがあります。80年前に作られた物としては素晴らしい保存状態と思います。本当にフサフサ密なパイルで厚みがあり、サイズの割にずっしり重く感じる程です。とても肌触りの良い、良質なウールを使用されています。写真1枚目は日干しした際に撮影しました。太陽光の下で見ると、更に鮮やかで華やかな雰囲気です。購入時は少し汚れていましたので、ウール用洗剤で洗濯しました。個人的な感覚ではありますが、現状は頬ずり出来るくらい綺麗です。我が家では鑑賞のみで実用しておりません。キリムからトライバル ラグ・部族系絨毯と言われるアンティークの毛織物にはまり、数ヶ月前にオランダのディーラー様から譲り受けたものです。気に入って入手したものですが、収納スペースが手狭になり整理のため出品します。オールドキリムや絨毯がお好きな方、古い手工芸品に理解のある方にお譲りしたいと存じます。作成し使用してきた人々や歳月に思いを馳せつつ、現状のまま愛でて下さる方の購入をお待ちしております。