長谷川潔 挿絵・銅版画 ベスト 「竹取物語(仏訳)」扉絵、かな文字、最終画3点セット

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長谷川潔 挿絵銅版画 竹取物語 "La Lgende de Demoiselle de Lumire"(本野盛一仏訳)扉絵(#529)、かな文字(#531)、最終画(#575)3点セット 頁サイズ30×23cm 扉絵7×7、かな文字6.6×10、最終画11×7.5
#ナンバーは玲風書房「長谷川潔の全版画」(カタログ・レゾネ)の番号です。

昭和初期にフランスで出版された長谷川潔の挿絵本「竹取物語」(1934)は、芹沢啓介の「絵本どんきほうて」(1936)と並んで日本の挿絵美術本の最高傑作とされています。本書はフランスの特別豪華な美術本を愛好するリーブルダール協会から出版されたため、通常の本とは違って下記のような特別な配慮が施されています。
 1.紙質 ― 最高級の鳥の子紙を日本へ発注し、美術書協会のイニシャルを 透かしに入れて漉かせた。
 2.活字 ― 長谷川の精細な挿画に合わせるためフランスにない特別な活字書体をイギリスから取り寄せた。
 3.印刷 ― 本文と挿画の印刷は別々にそれぞれの最高レベルの印刷所に依頼し、版画の印刷は長谷川自身が立会い監督しながら、非常に丁寧にゆっくり摺らせた。 4.版画 ― 構図や衣装等の時代背景に考慮を重ね、従来の木刻に替えて本格的なビュラン刻による銅版画とし、特に交叉線を用いず平行線による作品とした。
 これらの配慮と大小36点の版画制作のために出版まで7年もかかりましたが、これほど手間をかけた豪華本は、協会会員数に合わせて150部発行されたのみで、1冊も市販されなかったので、この本を手にとって紙質や挿絵を鑑賞できる人は当時も今日も非常に少なく、多くの人は美術館や展示会で眺めるだけに終わっています。 しかし最高級の鳥の子紙や銅版画のザラザラした感触は、手で触れてみて初めて実感できるものですから、今回は挿画と本文双方をセットとして提供いたします。この機会に日本一の豪華挿絵本の高級料紙、特別活字、精細なビュラン刻の魅力を肌で感じてお楽しみください。
 36点の挿絵にはカタログ・レゾネ「長谷川潔の全版画」(玲風書房)の番号を付したので照合・確認できます。 コンディション:扉絵は大変きれいな状態です。かな文字は頁の左下に薄いシミがありますが、版画は大変きれいです。この文字は寛文3年刊「竹取物語」の冒頭部をモデルとして木版の文字を鋭利なビュランで模刻したもので、おそらく世界で唯一の銅版かな文字でしょう。見た目はただの印刷文ですが、指でなぞってみると銅版画の凹凸がはっきり分かり、長谷川潔の彫版の息遣いを実感できます。最終画の頁は左下余白に薄いシミがありますが版画は大変きれいな状態です。

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